都市と地方では、防災の課題も異なる

 地震発生は都市圏と都市郊外では及ぼす影響や被害が異なってきます。都市圏では建物の高層化や人口の集中がより一層進んでいます。都市郊外では、高齢化や過疎化による問題が防災対策にも課題を残しています。地域の特性や課題を把握することで、防災対策の参考にしましょう。

都市圏の場合

火災延焼の可能性

  • 老朽木造住宅の密集市街地が点在している
  • 地域内の道路・公園などの公共施設が不十分なため、火災発生時には延焼しやすい
  • 同時火災が起きた場合には、市街地大火となる危険性が高い
  • 密集市街地では道路が狭いため、避難や消火・救出活動が困難になる

避難行動の課題

  • 超高層ビルと中階層ビルが混在する市街地や駅ターミナルに人があふれてしまう
  • 通勤・通学による大規模な人口移動による帰宅困難者の大量発生

ライフラインや災害危険箇所の課題

  • ガス・上下水道・交通などが寸断されると避難生活も行えなくなる
  • 河川氾濫、堤防決壊、がけ崩れや土石流などの災害危険箇所の未整備

避難所の課題

  • 都市圏では公共施設や避難所が多いが、避難者が集中するため収容できないこともある
  • 自治体の防災備蓄も避難者に行き渡らないこともある

都市郊外

近年発生した震災発生時の課題

  • 市町村庁舎、職員の大規模な被災により自治体が機能しない
  • 多数の避難所の分散により、公的支援が計画的に行えない
  • 孤立集落の発生

高齢化や過疎化による課題

  • 高齢者は災害弱者になりやすく、情報弱者にもなりやすい
  • 中山間地が多く、小規模な市町村、居住地が広範囲に点在している
  • 地上デジタル化により集落全体がテレビ難視聴の地域がある
  • 医師不足による震災時の医療支援が不足する
  • 携帯電話が圏外、高速通信網が未整備など情報格差が存在する
  • 消防団員不足で少人数で広大な面積の防災対策をカバーしなければならない
  • 大量の支援物資の受け入れ体制の不足

ライフラインによる課題

  • 道路の未整備、未舗装により避難が困難になる。
  • 緊急車両の大型化や高機能化により通行が困難な道路が多い
  • 主要道路が土砂災害危険区域や警戒区域に存在していることが多い
  • 下水道の未整備や上水道の老朽化によるライフラインの寸断

避難所の課題

  • 被災情報が自治体に伝わらず、公的支援が届かないこともある
  • 小中学校の統廃合や老朽化で公共施設が機能しないこともある